●製作年:1860−1880年頃 ●1級 カップ 直径:8,5cm 高さ:6cm ソーサー 直径:13,5cm 高さ:3,5cm マイセンの19世紀は"黄金期"ですが、特に後期におけるフラワーカテゴリーに関しては技術の頂点を極めます。ブラウンスドルフの教鞭により、ベースラインでさえ柔らかいタッチ、陰影、儚くも淡い色彩で自然主義に引けを取らない水準でした。これらは現行で製作されるものよりも非常に評価が高く、アンティーク市場でも熱烈な人気の為、コレクターの垂涎の的となっています。 今回は、その時期のフラワーブーケと昆虫の組み合わせのカップソーサーです。昆虫の入るフラワーブーケはマイセンの中でも高価格帯に位置するカテゴリです。どちらも余白を按分した構図で、愛らしく淡いブーケが広がります。どちらもチューリップで違うペインターによる様相をそれぞれ楽しめます。花の脇からおしべが見える様子…こういった粋な表現は現代ではまず無い描き方です。ソーサーに散りばめられた散らし小花や昆虫…踊るようにして前面に描かれるタイプは市場でも価格は上がります。 見事な筆遣いによる柔らかさ、そしてお得意の葉に写る陰も見事です。現代のような単調さは一切なく、描くペインターやその時の生の感覚が表れており、”似たようなもの”は一つもありません。技術の失われた現在ではもうこのような描画を表現することはできません。ボタン剣期をコレクションしている方にはもちろんのこと、マイセン愛好家には自信を持ってお勧めできる逸品です。 この時代にありがちな金彩の擦れもほとんど見受けられず、目立つ傷、ワレやカケも無く、素晴らしいコンディションです。この時期特有の時代背景による汚れも少ない方だと思います。 最近はめっきりアンティーク市場でもこの時代のカップソーサーはあまり見なくなりました。。貴重な逸品をこの機会に是非ご検討ください。